| グリーンコンシューマーに関する アンケート調査結果報告書 アンケート調査は大きく3つのテーマに分かれています。第1は、買い物袋の持参率および購入するトイレットペーパーの素材に関する意識調査、第2は環境に優しい商品を選択する目安となるエコマーク商品に関する意識調査、第3は農産物の国産・非国産志向に関する意識調査です。 1 調査対象 平成12(2000)年に県が行った「買い物袋持参体験モニター事業」でモニターとなった2707人のうち,1775人から回答が得られました。回収率は65.6%。買い物袋持参運動のモニターという理由から、女性が97%を占め、職業ではほぼ半数は専業主婦でした。従って、今回行う消費者意識の分析では、主に家庭における購買活動を行う主婦層の意識が反映されているものと言えます。 《回答者の属性》
2 買い物袋の持参率および購入するトイレットペーパーの素材に関する意識調査 (1)買い物袋の持参率 調査対象の3分の2が高い頻度で持参しており、これはモニターの中では買い物袋の持参が定着していることを示しています。持参した買い物袋の中で県が提供した袋を持参していたのが475人で全体の26.8%であったのに対し、それ以外の袋を持参している人が578人、全体の32.6%を占めていました。県が始めた買い物袋持参運動は買い物袋の普及の起爆剤となりましたが、定着するに従い自分の好みにあった袋を持参するようになっているものと思われます。 《買い物袋持参率》
3分の1が持参していませんが,その持参しない理由で圧倒的に多いのが「忘れてしまう」でした。通勤の帰りに買い物をする人に多いと思われます。忘れた人のためにレンタルの買い物袋も1つのアイデアかもしれません。 《持参しない理由》
(2)購入するトイレットペーパーの素材 《購入するトイレットペーパーの素材》
3 エコマークについて (1)エコマークの認知度および参考度 有効回答中69%(1188人)が「名前も意味も知っている」と答え,「名前だけは知っている」と回答したのは29%(498人),「知らない」は2%(40人)でした。また,参考度を調査する為に,「エコマーク」について知っていると答えた人を対象に,「商品を購入する時,『エコマーク』を見て購入していますか」という質問では,「できるだけ見て購入するようにしている」が21%(362人),「ときどき見て購入している」が46%(795人),「ほとんど見ない」が28%(476人),「まったく見ない」が5%(93人)でした。
《エコマークの参考度》 この結果から,エコマークの認知度は,「名前も意味も知っている」「名前だけは知っている」を合わせると98%となり,ほとんどの者が「エコマーク」の存在を認識していると言えます。また,エコマークを参考にして買い物を行っている消費者は,「できるだけ見て購入するようにしている」,「ときどき見て購入している」を合わせると67%にのぼり,その頻度や参考度合いについては特定出来ないものの,高い割合であると言えます。 (2)エコマーク参考度とサンプルの属性 1) 年代 年齢が高くなる程、エコマークを見て商品を選択しています。
2) 職業 職業とエコマークの参考度とはまったく関連性は認められず、職業によって環境問題に対する価値観が影響を受けないことを示しています。
3) 経済的ゆとり,時間的ゆとり 経済的ゆとりでは有意差が認められ、時間的ゆとりの有無による有意差は認められませんでした。 《エコマークの参考度と経済的・時間的ゆとりとの関連》
環境意識を明らかにするために18の質問項目を用意しました。なお、環境意識では「そう思わない」を1点,「あまりそう思わない」を2点,「大体そう思う」を3点,「非常にそう思う」を4点とし、それぞれのグループの平均値を示しています。平均値はそれぞれのグループ全体の環境意識を表す指標として使うことができます。
1)環境意識における分析 これら18の質問項目を、「環境問題は差し迫った問題ではない」のような「環境に対する危機意識」、「製品の価格が多少高くても構わない」のような「環境に対するコスト負担意識」、「環境に配慮したシステムをつくることができる」のような「社会の変革意識」、「環境問題は私たちも加害者である」のような「環境に対する責任者意識」の4つに分類し、エコマーク参考度との関係を考察しました。 この結果から、エコマークを参考にしている人とそうでない人との間には、「環境に対するコスト負担意識」、「社会の変革意識」に大きな違いがあり、「環境に対する危機意識」にも多少の違いがある事が明らかになりました。 コスト負担意識について、エコマークを見て商品を購入する人において負担意識が高く、そうでない人は低いという明らかな有意差が認められたことは、「エコマーク商品の購入」という経済活動における環境配慮行動であることから、当然の結果と言えます。また、経済的、時間的ゆとりがあると答えた人にエコマークを参考にしていると答えた人が多かったことからも、この意識に関して明確な差が確認出来たことが説明できます。 社会の変革意識についても同様に明らかな有意差が認められました。このことから、エコマークを参考にしている人は、消費者側からも国や企業を変えていくことができると考えている集団であると言えます。また、そのような意識がエコマーク商品の購入に結びついていることも推測でき、これは環境にやさしい購買行動が伸展していく第1歩と言えるのではないでしょうか。 以上から、環境に対するコスト負担する意識が強く、変革意識の強い人たちにおいて、エコマークが参考とされていることが分かりました。 (4)エコマーク参考度による環境にやさしい買い物行動の比較 《環境にやさしい買い物行動の頻度》
1)環境にやさしい買い物行動の頻度 環境にやさしい買い物行動で最も頻度の高い行動は、「詰め替え容器に入った商品を選ぶ」、「商品を購入するときは、品質表示を見る」、「車を購入する時、燃費の良い車を選ぶ」、「電気製品を買うときには消費電力の少ない商品を選ぶ」、「買い物時に過剰な包装を断る」であり、これらに共通するものはメリットが直接実感できることです。一方、頻度の少ない行動には「生鮮品はトレイが使われていない商品を選ぶ」、「ビールはびんビールを購入する」、「無洗米を選ぶ」が並んでいます。これらの項目は直接メリットが実感できず、心理的な負担も大きい項目です。 2)買い物行動の優先順 これら20の質問項目を、「自然の中で放牧された鶏の肉や卵、低農薬野菜などを買う」のような「品質重視意識」、「使い捨ての商品を買わない」のような「容器リサイクル意識」、「詰め替え容器に入った商品を選ぶ」のような「ごみ減量化意識」、「電気製品を買うときには消費電力の少ない商品を選ぶ」のような「省エネ意識」、「無洗米を選ぶ」のような「その他の環境行動意識」の5つに分類しました。 この5つの意識の優先度を調べるため、分類された5つの意識のそれぞれの質問項目の平均値の総平均値およびエコマークを参考にする人、しない人のそれぞれのグループの総平均値を求めました。エコマークを見て商品を購入するグループにおける買い物行動の優先順位は、容器リサイクル、省エネルギー、品質重視、ごみ減量化、そしてその他環境行動の順です。 《エコマーク参考度で見た5つの意識の優先度》 エコマークを見ない人の優先順位も、基本的にはエコマークを見る人と同じですが、大きく異なるのは品質重視の優先度が低い点です。つまり、エコマークを見るかどうかに大きく影響している買い物行動は、商品の品質を重視して買物しているかどうかに関連しています。 エコマーク商品の商品特性は、省資源、省エネですが、その他環境行動に属する「無洗米を選ぶ」というような水を汚さないや省水資源という特性を持つ商品に関しては、消費者は環境問題と認知していないことが推測されます。 (5)エコマーク参考度による日用品の選択基準の比較 日用品の選択基準にエコマークがどのように影響しているかを調べるためにエコマーク参考度による日用品の選択基準との比較を行いました。ほとんどの人が価格を重要な選択基準としており、続いて品質、環境への配慮、店の立地と続いています。 《日用品の選択基準》
これら選択基準とエコマーク参考度との関連は以下の結果になっています。エコマークを見て商品を購入するグループは、特に環境を含めた品質を重視しています。一方、見ていないと答えたグループにおける大きな特徴は、環境への配慮の項目が極端に低くなっている点です。また、価格と店の立地の項目でエコマークを見ないグループの重視度が高くなっています。エコマークを見ていない人は、利便性を重視した買い物行動をとっています。 《エコマーク参考度による日用品の選択基準の比較》
4 農産物の国産・非国産志向に関する意識調査 「しいたけを購入するとき、国産品と輸入品が並んでいる場合、どちらを選択しますか」と言う問に対し以下の割合で回答がありました。
《しいたけを購入する時の選択》
上の図表で圧倒的に国産品を重視しています。分析では「国産品」および「どちらかというと国産品」を“国産派”と定義し、「輸入品」、「どちらかというと輸入品」、および「特にこだわらない」と答えたグループを“非国産派”と定義、それぞれの割合は80.4%と19.6%でした。 次にそれぞれの層の選択基準を下図に示します。国産派の94%は「安全性」を選択基準としていて、その次は「品質」と「新鮮さ」であり、「価格」はあまり重視されていません。一方、非国産派の96%は「価格」を重視しており、「新鮮さ」を重視する者も60%近くあり、「安全性」を重視する者も40%を超えています。以上の結果から、国産派が価格に関係なく安全性で国産品を優先し、非国産派は、価格をもっとも優先していながら、新鮮さや安全性に対してもある程度考えていることが分かります。 《国産派及び非国産派の選択基準(複数回答)》
国産派および非国産派と属性との関連では、年齢が高くなるほど、国産品を重視して買うという傾向が見られ、若い年齢層ほど国産にこだわらない傾向が見られます。 《国産品の選択割合と年齢との関連》
アンケートでは、選択時における価格と産地の重視度を調べるために、にんじん、たまねぎ、ナス、ねぎ、しいたけ、春菊、レタス、ほうれん草とトマトといった9種類の野菜類と、もも、いちご、りんご、みかん、オレンジ、バナナといった6種類の果物、および米を対象に購買時の重視度に関する質問を行っています。 《国産派および非国産派に分けた種類毎の価格および産地に対する重視度》
国産派はすべての種類において非国産派に比べて産地の重視度が高く、非国産派は国産派に比べて価格重視の傾向が見られます。 非国産派グループだけを取り出した価格と産地の重視度の関係は下図のようになります。 《価格・産地の重視度から見た農産物のグループ分け(非国産派)》
食料品を以下の三つのグループに分けることができ、第1は米です。価格は重視されていますが、産地の重視度も高い。米は完全に産地ブランド化されているため、以上の結果が当然かもしれません。第2のグループには野菜ではほうれん草、レタスとトマトで、果物にはみかん、もも、いちごとりんごが入っています。みかん、もも、りんごといった自給率が高く、産地ブランドが形成されている種類と同様に、ほうれん草、レタスのような葉物とトマト・いちごのような生で食べるものは、価格が重視されるとともに、産地の重視度もかなり高くなっています。第3のグループには、輸入物がほとんどのオレンジとバナナの果物と、ねぎ、なす、にんじん、たまねぎといった根菜類や果菜類と春菊というよう調理して食べるものが入っています。こういった種類の野菜・果物に対して消費者は産地より、価格のほうを重視していることが分かります。オレンジとバナナの輸入物は、すでに消費者に受け入れられており、同じ特質を持つ調理用の野菜も、将来輸入物が増加する可能性がないとは言えません。 以上詳細に見てみると国産の果物と輸入の果物、生食中心の野菜と調理用の野菜で価格および産地の重視度が異なっていることが分かります。そこで、国産果物グループ(もも、みかん、りんご)と調理用野菜(なす、たまねぎ、にんじん)の2つのグループで有意な差があるか分析したところ、下表から明らかなように国産派も非国産派の人も産地に関しては野菜より果物の重視度が高く、有意な差が認められました。この結果は地産地消に適した農作物とそうでない農作物があることを示唆していると思われます。 《野菜と果物の産地重視度比較》
** 1%の危険率で有意差が認められる。 |
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